iの力

機種変の時、月々220円プラスしたらグリコのおまけみたく「iPod shuffle」が付いてきた。
切手として使うなら大きく厚く重くて、たいそう使いづらいが
ひとたび携帯音楽プレイヤーとして使おうと考えたら、
小さく薄く軽い、優れもの。
百枚ほど重ねた切手なみのコンパクトボディに1ギガという大容量。
俺のパソコンよりも記憶力に優れている。
もちろん俺のパーソナリティよりも遥かに…。
iPodiTunesというソフトとiTunesStoreという音楽配信サイトを合わせたら、
もう向かうところ敵なし。
サイトでクレジットカードの番号をチョコチョコっと打ち込みクリックするだけで、
世界のありとあらゆる曲がポンポンとダウンロードできiPodに転送も簡単。
もちろん金は一銭もかからない。
ただ請求書の数字がグングンと増えるだけ。
そして俺は、机上の数字には左右されない男。
請求書を開かない男でもある。
コルトレーンの名曲「impressions」を検索したら、
出るわ出るわ何十曲もの「impressions」が。
コルトレーン本人だけでも数テイク、
加えてジャズに限らずロック、エレクトロ、クラシックとジャンルを問わずに、
様々なミュージシャンのカバーが数十曲。
一応、念のために俺の演奏した「impressions」を探してみる…、ない。
たかが紀元2006年くらいの幼稚な人類には、俺の演奏は理解できないということなのか?
もしくは、俺がまだデビューしていないせいなのかもしれない。
iTunesは全曲試聴できるのがとても素敵だ。
馬鹿っ速の「impressions」を選んであれもこれもとダウンロードする。
試聴してはダウンロード、
試聴してはダウンロード、
ちぎっては投げ、
ちぎっては投げ。
あっという間に「impressions」だらけのiPodができてしまった。
朝、歩きながら「impressions」を聴き、
通勤電車で「impre」を聴き、
サドルの無い自転車を立ち漕ぎしながら「imp」を聴き、
仕事中、CDコンポに繋ぎ「i」を聴く。
朝から晩まで丸一日「impressions」祭り。
おっと、嘘を言っちゃいけないねぇ、
お昼寝ん時だけサラ・ブライトマンのベストを子守唄に、すやすやとお眠。