2005-01-01から1ヶ月間の記事一覧

「虚」と「虚飾」と「本物」と。

ムンクとゴーギャンは絵についていろいろと突っ込んだ会話ができる。ゴーギャンとラッセンは絵についての会話が辛うじて成り立つ。ムンクとラッセンは、絵についての会話はまったく成り立たないが、絵の具についての会話はならば成立する。絵の具の使い方で…

「神の存在」「神の不存在」

今だかつて、神の存在を証明した人間はいない。今だかつて、神の不存在を証明した人間はいない。今だかつて「1+1=2」であることを証明した人間はいない。だがこちらの数式は証明を必要としない。なぜならば「ルール」として人間が作り了解しているもの…

三角関係。

「楽器の練習していいですか?」(気狂いラッパですけど、と心の内でそっとつぶやきながら)「ええどーぞ」と受け付けのお姉さんにっこりと笑う。気狂いに寛容なあなたは聖母のように美しい。昨日の昼下がり、近所のカラオケボックスで。30分79円。1ド…

「歌」

どこからか聞こえてきたあなたの歌。「うまくなったね」というぼくに、得意そうにうなずき笑ったね。あなたはもういないのに、歌だけが無邪気に響く。いろんな顔があったはずなのに、笑顔だけ残されて。ラジオから流れだした、あの時の歌。ぼくは動けなくな…

全ての言葉は『捏造』である。

全ての言葉は『捏造』である。そして『捏造されたもの』は『虚偽』であるが為に、いともたやすく暴力的に加速する。『捏造以前』を知りたい。俺は『俺の捏造以前』を知りたい。『なにがある?ことば以前に』『それを、どうやって伝える?』「またおまえは捏…

ラジオ

詩を紡ぐ静かな夜。ふいに出たくしゃみに、詩がちぎれ、ことばが止まった。少しでも誰かと繋がりたいと思いFMラジオを引き寄せる。ダイヤルを回し人のぬくもり探し続けた。ふいにあふれ出た陽気な会話、笑い声。一人ぼっちを知らされ、綴った詩に涙がこぼ…

「回転木馬のデッド・ヒート」より

言語下手なおいらは、ためらうことなく村上春樹さんの文を引用させてもらう。『自己表現が精神の解放に寄与するという考えは迷信であり、好意的に言うとしても神話である。少なくとも文章による自己表現は誰の精神をも解放しない。もしそのような目的のため…

生きるかい?それとも。

言葉使いだとか比喩の仕方とかなんて細かいことは、詞を書き続けていくうちにだんだん「センス」として身についていくことだと思う。技術的なことよりも、もっと大事なことは、あなたの思いがその詞にその言葉にどれだけ込められているか?ということです。…

「歌い人」エピローグ。

「たー坊、お疲れさん」「お疲れさまです。けんちゃん個人的な鑑賞用に完成曲をコピーして貰っていっていい?」「おっいいよ。お偉いさんに見つからないようにな」「けんちゃんの分もコピーしようか?」「いや、そんなつまらないものいらない。おれはこれを…

「歌い人」編集。

さて、歌として世に出す前には編集という作業がある。編集とは何をするのか?…。「けんちゃんどれ使う?本人は最後のテイク12で満足したみたいやけど」「たー坊、テイク12はレンジ広すぎるやろ?なにもこんなに、小さく小さく、大きく大きくと幅広く歌わ…

「歌い人」プロローグ

あなたは歌を歌うことにより自分を表現する「歌い人」だとしよう。「歌い人」は歌った。スタジオでの録音にて。時には声にならないほどの吐息で。時には全身を震わせて割れんばかりのでかい声で。何度も何度も納得のいくまで歌い直し、何回目何十回目かに、…

ゲルマニウムの夜

俺は明確な殺意という激情を、自らの手を血に染めずに自殺に追い込むという狡猾なる方法で冷徹に処理しようとした。思えばあの時、おれがあのまま追込み続けてAが自殺したとしても俺の心はみじんも痛まないだろう。「ゲルマニウムの夜」で朧が言うところの…

ゲルマニウムの夜

8日の土曜日、職場の同僚Aとその元後輩Bと俺の三人で飲みにいった。仕事のできるBは会社の旧態然とした年功序列に絶望して昨年末に会社をやめていた。二軒目のカラオケ屋でAがマイクをテーブルにゴツゴツとぶつけたりテーブルの足を蹴ったりしてた。B…

天女に酔った夜。世界に殴られた夜。

おとといの夜、琉球の宮廷舞踊を観にいきました。天女が静かにゆっくりと糸に引かれるように舞っているようなその姿に魅せられ、まばたきすることすら忘れた。初めて舞に酔った。今夜が永遠に終わらなければいいと。昨夜はジャズライブにいった。ふっ飛ばさ…