天女に酔った夜。世界に殴られた夜。

おとといの夜、琉球の宮廷舞踊を観にいきました。
天女が静かにゆっくりと糸に引かれるように舞っているようなその姿に魅せられ、まばたきすることすら忘れた。
初めて舞に酔った。
今夜が永遠に終わらなければいいと。
昨夜はジャズライブにいった。
ふっ飛ばされた。
おれはあんな凄いウッドベースを今まで見たことも聴いたこともない。
あれは人が、ベースを弾いていたのではない。ベースが人に、弾かせていたのだ。
ベースは自意識ある生きものでむしろ人間のほうが意識なき単なる運動機関。
ベースは人という機関を完璧に操る。
スピードをじょじょに上げていき、人という機械の運動性能の限界を試して楽しんでいる。
壊そうとしているのか?奏者を、聴いている我々を、壊して、自らの自由を得ようというのか?
沈黙する自由を…。
茶水の小さな小さなジャズクラブ、そこに「世界」があった。
…俺は、世界に殴られた。
俺は、やり返すほうでね…。