役者魂

餅つきが終わり友達のTちゃんが出演する舞台へ。
受け付けで主役が急病で出演できないという大ハプニングを聞く。
「料金無料でやるから見て下さい」と言われおそるおそる客席のドアを開ける。
ほぼ満席の客入りにホッとした。
いくら主役不在とはいえ客よりも出演者のほうが人数多かったら切ないもんねぇ。
新宿RUIDOの某バンドライブ、演奏者8人客6人の悪夢が脳裏によぎっただけに、
この客入りは一人一人に握手して廻りたいくらいに嬉しい。
歌と踊りが終わり芝居が始まった。
今日になって役から台詞から何から何まで変えて、練習する間もなくぶっつけ本番であったのだろうが、
そこはさすがに役者さん、台詞まわし、会話の間、立ち振る舞い、実に上手いもんです。
シンプルなストーリーで大団円で盛り上げる。
小劇といえどツボは外さない。
最後に出演者全員が並んだ。
その頬を伝う涙は、きっといろんな味がしただろう。
涙が止まらないTちゃんに握手してもらって家路へと。

Aちゃんの演歌魂とTちゃん達の役者魂を目の当たりにした一日、
「さて、俺の魂は何処に?」といういつもの刃が浮かぶ、
急ぎ足で地下鉄という曖昧さの懐へ逃げ込んだ。