六本木が高円寺になった夜に

昨日、六本木に行った。
前夜、高円寺の無善寺で歌ったsちゃんが、今日は六本木BRAVE BARで歌うという。
高円寺から六本木に行くのには、心の時空を一捻り半しなければ辿り着けない。
無善寺からBRAVE BARに行くのには、一回半ほど生まれ変わらなくては辿り着けない。
無善寺に集う彼女のサポーターたちが高い交通費を払って、心の時空を一捻り半してさらに一回半ほど生まれ変わって蛙あたりに化けてどこにも身の置き所がないよな六本木までくるとは思えない。
それだけ高円寺の人達は純粋なんだ、自分に対して。
六本木の「bar」は高円寺の「バー」とは別物で料金も全然別物だしなーw。
sちゃん孤立無縁の完全アウェイ状態
阪神タイガースの応援席にRabbitくんが乗り込んでウサギの歌を歌うようなものか?(すまんプロ野球よくわからんのでテキトーです)
そんな状態でsちゃんがどんなパフォーマンスを見せるのか?
これは見ものだなー、おもしろそーだなー行ってみよっと!
嘘です、応援100%で行ったんよマジです

吉祥寺の男性二人組がさわやかなエロを歌ってます。
が、吉祥寺ごときのさわやかエロではビクともしませんここ六本木。
やはりここは高円寺の鬱屈したエロとコールタールみたいで拭っても拭っても拭いきれない人間の業で、
この街のキラキラな虚飾服を溶かしてしまわねばなりません。

床に直に座った彼女が歌い始めた
時おりマイクを外して歌う
自分に容赦しない声と歌詞
自分に剃刀を当て、
泣きながら、
心の際ギリギリで歌う

六本木が高円寺になった
それは、ほんの僅かな時間で、彼女と俺とたぶん吉祥寺の二人組にしか解らなかったかもしれないが

俺は彼女を口説いた
即興で一緒にやってくれないか、と
歌になる前、言葉になる前の行き場のない感情、気持ち、心をそのまま叫んでくださいと
彼女は泣き終えた後の笑顔で返してくれた。

ありがと。。