転倒の価値の転倒

10月5回11月3回
太鼓の出演中に転んだ数。
10月4回11月2回
サックスでのライブでコケた数。
サックスでコケるのは私の実力が遺憾無く発揮された証なので、ある意味めでたいのだが、
太鼓でこけるのは戴けない
最後のクライマックスで身体をぐーっと後ろに反って叩いてるとき、余りにも反りすぎて身体を支えきれずに後ろに背中からポテっと落ちる
かっこわりー
本番での失敗率三割三分は、いってるだろう
拍手と笑いの比率は、七対三くらいか
うーん、なんとかせねば、太鼓仲間ん中で「けんじくん今日はこける?こけない?」で賭けが始まりそうだ
そしておいらは賭け率を聞いてから太鼓を打ち始めるw

コケることが大事件とされてるスポーツはフィギアスケートだ
優劣のつけ方が気に入らない
コケたらその時点でアウト、大きく減点されて上位入賞なんてハイさよならー
フィギアスケートはコケてから始まるのがほんとでしょ
トリプルアクセル着地失敗!あーあ派手にコケちゃったよー、さあーこっからこの選手はどんな演技をするんだ?」
コケてパニクったり気持ちが萎縮したりして演技が小さくなったらその人は負け
コケてから、さらに一層気持ちを集中させて大技連発成功させた人が優勝
再チャレンジに失敗してまたコケてしまったら、それはまぁ引き分け再試合ってことで

毎週火曜の太鼓の稽古をさぼって僕はコンテポラリーダンスの音付けに行っている
おまえらはコンテポラリーダンスの凄まじさを知ってるか?
コンテポラリーダンスは価値の転倒と拡大の芸術。
フィギアスケートで言うならば転倒という失敗を
転倒というダンスに換えて「ほら、こんな転倒の仕方がありますよ
どーですか?この転びかた滑稽でしょ美しいでしょ面白いでしょー?」
今まで絶対だと思ってた価値感をひっくり返してみせる。
ダンサーが織り成す奇妙な動きに魅入りながらぼくは、
CDプレーヤーを再生させたりサンプラーのパッドを叩いたり携帯音楽プレーヤーをループさせたりエフェクターのペダルを踏ん付けたりサンプラーのパッドを押したりミキサーのツマミを回したり鈴を振ったりパニクったり。
いつも本人何をしてるかわかってない
ただ今日は「金魚ぉーえー金魚ぉー」って声はミスマッチだったってことだけはわかった
次回は竿竹屋にしとこう