咲く桜

日本酒飲み出し十一時、焼酎切り替え十二時半、泡盛り突入午後一時。桜の木の下でたまに太鼓を打ちながら。
人がわんさか集まって、我も我もと飛び入りで、太鼓を打って三時過ぎ。
公園管理人飛んできて中止命令三時半。
酔いがまわって午後の四時。
毎年恒例、沖縄民謡の会とおれたち八丈太鼓の黒潮連合花見酒。
泡盛三線太鼓。
沖縄の民謡は心に染み入る。
それは何も沖縄音階のせいばかりではない。
その歌は幾多の慟哭を飲み込んで静かに響く。
散る桜、残る桜に咲く桜、であってほしい
昨日の沖縄、今日の沖縄、明日の沖縄

広いシートに何人もの人が座り賑やかに酒を酌み交わす花見客の喧騒の中で、
若い夫婦と幼い子の三人が、とても小さなシートに肩を寄せあってお弁当を食べていた。
三人をぼんやりと見ていて、温かくなり嬉しくなり羨ましくなり切なくなった。

桜舞う羽根木公園で