おすぎとピーコはたまに入れ替わっている

十四日に裕美の墓参りに行ってきた。
東京駅の八重洲口から岩井行きの高速バスで一時間。
発車まで時間あったので八重洲ブックセンターに入った。
音楽コーナーでしばし物色、
東京ジャズスポットの本、全国ジャズスポットの本、菊地成孔さんの本、ユリイカ、DJ名鑑、黒人リズム感の秘密の本、プログレロック本などなどなどを
選んでは積み上げ、
持ち上げては歩いて、
レジの向こうのレジへ、
千の夜と千の昼を越えて…。
またやってしまった「本の袋買い」。
古本屋ならまだしも、値の張る音楽の本ばっか何冊も。
金が無いのに買えてしまうクレジットカードが憎い〜っ。
給料の5%カットなんて話が社長からきている今日この頃、
本やCDなどの袋買いなどできる財政ではないというのに。
買い物依存症は、可及的速やかに是正せねば。
「底が抜けないように袋を二重にしておきました」なんて店員さんに、にっこりされ、
思わず微笑み返しをしてみたり
「お客様、このカード使えませんけど、限度額を設定されてますか?
クレジット会社に連絡しますね。」
と、にっこりする店員の目は毎回いつも笑っていなくて、
盗難カード?偽造カード?
こいつはクレジットカード偽造団の下っぱか?
IQ120の蚤の心臓を持つ俺は
「ワタシ悪いことしてないあるよ、
それポクのカードあるね、
蛇頭に三百万の借金なんてないあるよ、
返すために危ない橋を渡ってないあるよ」と心の中で叫ぶ、
表情筋は固まり、汗が一筋また一筋と頬をつたう、
肌は白くなったり赤くなったり青くなったりと、まるでパニくったイカ
店員の目は「こいつは、世界を胯に掛け荒らしまわっている東アジアクレジットカード偽造旅団のボスに違いない。
私が捕まえてワイドショーのインタビューを受けるのよ」
「ええ、彼を見た瞬間、私の中の何かが、嗅いだのですわ、ほんの微かな犯罪の匂いを。
ええ、彼は完璧でした。平凡で極めて普通のお客さんでした。
彼のその完璧な凡人さが、私の心をより鋭利にさせたと言えるかもしれません。」
などと、この店員がのたまうんだわ。
そして、おすぎもしくはピーコに
「この人、調子に乗ってるわね」
って言われなさいよ。