火を渡り、願う秋空、雲流れ

日曜日、埼玉新座市にある新座観音で行なわれた火渡り祭りに行ってきた。
毎年、火渡り祭りの前に人寄せ太鼓を叩かせてもらっている。
八丈太鼓の「ゆうきち」「本ばたき」「しゃばたき」を順番に五人で叩く。
一心不乱に叩けばいいのに、空が高くて気持ちよくて、ついついニヤニヤしてしまう。
まぁ、その日その時の気分がストレートに出るのが即興音楽というもの。
「演奏の出来不出来」なんてのは俺の知ったこっちゃない。
いつも俺自身の満足度の問題。
そして、俺はいつも最高にHIPだ。

読経響く中、山伏たちが火が燻る灰の上を裸足で渡る。
続いて信者、一般参加者が渡る。
口をへの字に結んだ小さな女の子は、渡り終えた途端に泣きだし、
身体が不自由な子供を抱えた父親が一歩一歩渡り、
火と煙と願いが、秋の空を舞った。