異ろもの達の宴 その弐

禁断のドアを開けたらKさんがすでに叩いているではないか、ダダーン!
ボーカルは、もう暗黒宇宙を漂ったり床に倒れたりで、£∂∽‰★…!
ベースがフリーキーにドラムに絡みつく、ブンブンキュイーン!
もう、のっけから脳内麻薬噴出モードでニヤニヤしてしまう俺。
一緒に来たYはといえば、あっという間に1番前に座り込みすっかりこの店の住人と化している。
さすがインドを放浪する民Yは違う。
さてさて、…んんん?ベーシストはRさんにそっくりだ、とてもよく似ている。
Rさんもここに出演すると言うてたけど、たしか翌日の日曜夜のはず?
うーん…、やっぱRさんだ!
俺に内緒で、なに二人で楽しいことやってんですかぁーっ!!
おいらをセッションに誘ってくれたRさんは、
セッションの時はベースでず太い骨格とノリを作り出してくれる。
RさんのベースとNさんやKさんのドラムが大地をドカーンドカーンウネウネと創っていてくれるから、
ギターやサックスが、どんだけ遠く高く飛んでっても
全体のサウンドは、やばくて妖しくカックイイのだ。
だが今夜のRさんは違う、そんな「骨格ベース」なんて知らんぷりで、
グリグリブワーン!と自ら飛んでいく、
で、…帰ってこない。
Kさんのドラムも負けてない、ダタンッドカッチャシュワーン!
ヤバいなぁカッチョエエーぞ!
「いーぞいーぞ、やれやれーっ!」と喧嘩見物の野次馬のごとし俺。
最後まで行きっぱなしで突っ走ってドバーンッ!
終わって店の外の椅子に座りコンビニで買ってきた缶ビールと酎ハイで乾杯!
RさんKさんその他愉快な音楽バカどもと
山下洋輔トリオが…、!ジョン・ゾーンが…!」などと、
世界的異ろもの話で盛り上がり燃え上がり、
再びコンビニへ燃料を仕入れにいく。
What's upから出てきたのは、
得体の知れない外国の男。
Yが酔っ払った英語で話しかけると、
嬉しそうにして、ドイツで買った巨大フォークにマイクを付けた自作楽器を見せてニコニコ。
その連れの日本人はプロの尺八奏者という、まったくアンビリーバボーな連中!
どいつもこいつも最高だな!
鶯谷「What's up」
年間パスポートが欲しいぞ。
しょっちゅう遊びにこよう、と辺りを確認したらららら?
なんとなんと店の上には神社がデデーンと建っている…。

異ろモノ達よ!
さあ、担いだ神を放り投げるほどの力を見せよ!!