手のひらを太陽に!四つめ

ふぅー、
さてさて、
2番手予定だったIさんは、
間違えて最初にソロで叩いてしまい人寄せ太鼓で、拍手拍手。
次にここがソロデビューのY、
気持ちが突っ走り過ぎて、おいらの下打ちをおいてきぼりで終了、拍手拍手。
さすが手のひらまつり、
みなさんの拍手は、とてもあたたかい。
続いてお客さん参加の自由打ちに突入。
「ドカッバコッベシャーン、カッキーン!」
おいらは「うーん、素人さんの打つ音は過激だなぁ」などと感心しながら
ノンキにドンドコと下打ちで応えていると、
「おっ?えっ?こやつ…、
素人じゃねぇな、パーカッションかなんかやってるな」という奴が打ってきたりして
「そらきた!そらきた!」ってんで、
そんな時おいらは、太鼓歴6年余りで培ってきた全ての力を繰り出して、
そりゃあ「勝ち」にいかなきゃならんわけで、
耳をウサギ耳にして相手が繰り出す音とタイミングを聴き、
ヘビのような目で相手のモーションを盗み見しながら、
ドンドコドンドコと下打ちを刻む…。
敵はたぶん南米かアフリカのパーカッション打ち、
ジャストからのズレ具合や2拍目や裏拍に入るフレーズからなんとなく見当をつける。
裏拍はまだしも半裏拍なんぞに入れられた日には、
おいら「お手あげ降参参りました」と泣きべそものなんで、
コソコソとちょっとずつちょっとずつ下打ちのスピードを上げていったりしたりしてさ…、
フンッ!どんな手を使おうが最後に私が勝てばいいんです!
だが過去にこのヒートアップアップ作戦で、
アフリカ系の小学生の女の子に、負けたことがある…、
いわゆるDNAの壁。
さてドンドコドンドコがドンドコドンドコくらいになって、
ちと、おいらのほうがアップアップしてきた頃に時間切れで終了。
「フッ、ゴングに救われたな…、俺」
最後にソロ打ちを任された俺は、いつも通りヘロヘロになって打ち終えて、拍手拍手。
ありがたい。
このキャンプ場を手のひらまつりに提供してくださったオーナーさんに挨拶をしてもらい、
みんなで心より感謝する。
オーナーさんの好意と実行委員さんの熱意が、参加者の善意を呼ぶ。

きっと誰かが特別なわけじゃなくて、
誰もが、ちょっとづつ自分の中の「いい感じ」を持ち寄って、笑いあい手を繋ぐ。

そして、おいらの某計画は、白紙に、戻っ、た。
けっ!太陽がやけに眩しいぜ!