「私は、皮をむいたバナナである」の二本目

つまり
「ごらん!サックスを吹いているカッチョエー男が、からだを動かしながら、ありったけの息をしぼりだしているだろう。
そうだ、サックスを吹いているカッチョエー男はこうして君たちの最良の個所めがけて話しかけようとし、そのため一所懸命になっているのだ。
その最良な個所というのは、君たちの一番破壊的なところ、一番狂ったところである。
そこを目がけてサックスを吹いているカッチョエー男は最後の強烈なクライマックスへと激しいリズムに乗せながら、君たちを打ちのめしてしまおうとする。
サックスを吹いているカッチョエー男が美しくも汗だらけになっている。
君たちも汗だらけだ。汗は両方からタラタラと流れだす。
ステージの様子が、さっきとは変わってきた。
もうすっかり夢中になり、調子をあげながら、オルガスムに達っしようとしているらしい。
君たちも何かを求めようとしている。
そこで叫びはじめる。叫び続けないと運動状態が停止してしまうような気がするからだ。
そしてそのとき急にジャズの演奏が終わる。
闘牛士の剣に刺された牛がガックリとなったような瞬間だ。
だが緊張しきったあとのホッとした気持ちは、たまらないくらいさわやかである。」

と、なるわけだ。

いや、おいらの場合「たまらないくらいさわやか」には、絶対にならんだろうが…。

本当はね、
「君たちの受け取りかたなんて知ったことかッ!ほっといてくれ!」だ。
俺は、「俺がやりたいことは進化しない」ということが、
やっとわかった。