偽貞子

1月29日新井薬師Special Colorsの夜
パフォーミングナイトと名打った即興パフォーマンスのイベント。
ミュージシャンとダンサーが即興で一つのステージを作りあげる。
ダンサーとミュージシャン、ダンサーとダンサー、ミュージシャンとミュージシャン、様々な組み合わせが試みられる。
それは即興であるがゆえ、初顔合わせ初音合わせであるがゆえに、
二度と再現することのできない夢の舞台。

一人の男が床を這って入ってゆく
手には鈴を握っているようで時おりリャンリャンと鈴がなる
男は奥へ奥へと這い進む
リャンリャンずるずるリャンリャンずるずる
なぜこの男は靴下を片方しか履いてないのだろう?
それには何か深い意味が隠されているのか?
あるいは、単なる間抜け者
壁で行き止まった男は床に突っ伏したまま動かなくなった
疲れたので休憩をしているのかもしれない
やがて手だけ動かして鈴を床に打ち付け始めた
休憩終わりの合図かもしれない
またずるずると這いだしてステージ中央に向かっていく
この男はいったい何をしたいのだ?
後ろで結んだ長い髪を解いてグシャグシャにして床をズルズルと這いまわれば、ホラー映画並の説得力が生まれるかもしれないというのに、
なんとも勿体ない奴だな。
ひょっとして彼は、自らの身体を使って床を掃除してくれているのだろうか?

本番中になんとも迷惑な奴だ
終わってからやればいいのに。