@神無月を一っ走り

毎年恒例、神無月の狂い咲き。
神がいない月は、なにゆえに忙しいのか?
神がいない月は、なにゆえにテンションが上がり気分がいいのか?

その昔、某県某町に神無月という名の暴走族があった。
ぼくは国道17号線で神無月のメンバーのバイクに意味もなく追い掛けられて逃げたり、当時リーダーだった人にボーリング場の駐車場で絡まれたりしてた。
あちらは暴走族で、おいらは峠をいかに速く走れるかしか興味のないバイク馬鹿、棲息地がまるで違うのでめったにバッティングすることはなかったが、
小さい地域での同年代のバイク乗り同士、道やゲーセンでバッタリ会ってしまうこともある。
そうなったらあちらさんもスルーするわけにもいかずに、それなりに凄んで見せなくてはならなかったのだろう。
おいらは意味もなく売られた喧嘩は買わないので大事にはいたらない。

集団行動が大嫌いなおいらは暴走族が大の苦手だ。
バイクは単独であるからこそ意味がある。それをわざわざ集団で走行する意味がそもそもわからない。
都会と違ってうちの田舎は、信号止め(交差する道の車両進入を防ぎ族の本体を通過させる役)が必要なほど車走ってねーし、だいたい信号自体そんなにねぇーじゃん。
ど田舎は集団で走る必然性がまったくない。

暴走族は嫌いだが実は暴走は嫌いではない。
高三の夏の夜、CBX400Fのマフラーを集合部分で外して消音ゼロの4本パラレルマフラーにしてエンジンをかけてみた。
「バババババォーンバリバリブババババリバリバババ」それはそれは、ぶっ壊れたF1マシン並の凄まじい爆音が村中に響き、
ヤバイこれはヤバイヤバイぞーっと、アドレナリンが噴水のごとく出まくって、
ついついそのまま守門村中を走りまわってしまった。
己が善良だと信じて疑わない村人たちをまとめて爆音で蹂躙するのは、超ーっ気持ちいい!
ぼくは多くの村人から最悪な暴走族として見られていたのだろう。
ぼくは村での評判がとても悪かったのだった。
評判などよかろうが悪かろうがまったく実害がないので気にならなかった。それにその評判は「あいつは暴走族である」という間違った認識の上での評判なのだ。なおさら知ったことではない。

それにしても、あの夜の音は凄かった、未だに俺史上最高のうるささ。