A note left behind by a dead person.

貴男の犯した罪を僕が許せる日はこないでしょう

貴男の犯した罪を僕が裁くことはできないでしょう

貴男に罪を犯させた貴女をも僕は憎んでしまうのでしょう

貴男の罪から逃避した貴男をも僕は恨んでしまうのでしょう

あなたたちを憎む事しかできない僕をも殺めてしまうのでしょう

けれど本当は貴男の罪を許したかったんです

そんな日々がくることをこころからのぞんでいたのです

本当は僕は愛されたかったんです

そして僕は愛したかったんです

暴力という名の叫びだったのでしょう  

きっと貴男も愛されたかっただけなんですよね

きっと貴男も抱きしめて欲しかっただけなんですよね

きっと貴男も与えて欲しかっただけなんですよね

僕のように

多くのものを望んだわけではありません

けれど

一度狂いを覚えた歯車はとどまる術を持たず

一度過ちを犯した歯車は許しを得られず

一度壊された歯車は癒し方を見つけらず

一度おいてきぼりにされた歯車は帰り道を忘れてしまったのです

それでも最後に

夢見る事を許してくれるのならば

もう一度だけ貴男に貴男の望む僕の本当の笑顔をみせたかったんです

それでも最後に

夢見る事を許してくれるのならば

もう一度だけ僕たちのとなりでふたつならんだ電話をみたかったのです

それでも最後に

夢見る事を許してくれるのならば

もう一度だけ貴男とあの蒼く澄んだ海へといきたかったのです

それでも最後に

夢見る事を許してくれるのならば

もう一度だけ貴男とあの日交わした約束の場所へと向かいたかったのです

それでも最後に

夢見る事を許してくれるのならば

もう一度だけ貴男と水平線のみえるあの電車へのりたかったのです

それでも最後に

夢見る事を許してくれるのならば

もう一度だけ貴男の運転するバイクの後部座席へすわりたかったのです

果たせなかった約束のかけらたちを

たくさんこぼしてしまった僕をどうか

永遠に許さないでください

貴男と過ごした追憶が苦しみにまけたわけではありません

あのひとをひとりで逝かせるわけにはいかなかったのです

おおきな罪を犯すのですから

生まれ変わりなどのぞみません

ただただ全てのたたかいに幕を閉じ

安らかに

此の世の果てまで

夏頃書いた遺書らしき詞第3弾(爆
反芻しすぎだって