透明な涙

おれが音楽、歌、曲を聴いて涙するようになったのは、ひろみを失ってから。
この歌を音楽を、ひろみに聴かせたかったって。
 

音楽に他人を介在せずに、音楽をあるがままに一人で受け止めて涙する君は美しい。

 
俺は、もうどうにもならないけど。
 

この日記を誰が読んでいてくれているのかわからないけど、
 
君が、君の身体が、過去や今、未来、他者に、なんの関わりもなく、
音楽、小説や映画、芸術と呼ばれる全て対して、
心を震わせ、涙する、君は、美しい。

 
芸術の意味を、「癒し」としか受け取れない俺は、すでに、根本を失っている。
時計の針は進むばかり。
 

君たちの多くは、まだ失っていない。
透明な涙を、流すがいい
誰のためでもなく