たんちょう鶴の立場

1)自然開発という人のエゴにより、たんちょう鶴は被害をこうむった。
その罪を償うのは至極当然であり、仮に人間の罪の有無を置いといたとしても自然保護の立場から、えさを与え保護し、たんちょう鶴を絶滅の危機から助けださなければならない。
(人間A)
2)絶滅する種を保護するのが良いことならば、人類は即刻、我々を解放しなければならない。
天然痘
3)我々は大自然で生きる力をすっかり奪われてしまった。冬の間、二本足で歩く猿が魚や種や実を運んでくる。
我々はそれを、ただ待ち、食えばいいだけだ。
狩りのできない奴、雪の中から種や実を見つける力のない奴、みんな死ぬことがない。
けがや病気すれば、毛の無い猿が治療してくれる。
おかげで厳しい自然の中で生きる力のない奴が生きている。
近ごろの若い連中は生きた魚は恐いなんてぬかしやがる。
もはや我々は家畜も同然だ。
あののっぺりした白い猿に飼われて生きるしか道はないのか?
これは形を変えた絶滅なのではないのか?
あの猿どもは神か?
悪魔か?
(たんちょう鶴年寄り)
4)おいしいなぁ!白い猿の持ってくる魚は。ああおいしい!
ははっ、あの年寄りまた若い奴にえさを横取りされてやがる。
ざまーないね、日頃偉そうなこと言っておきながら。
あのうらめそうな皺くちゃな顔、醜いねー、厭だ厭だ。
まぁ、これが生存競争の厳しさっちゅうもんやな。
(たんちょう鶴若い衆)
5)さてさて、おおっ、ブクブク太ってきたねぇ。そろそろ喰うべ。
育て過ぎると、またこないだみたいに、こいつら自滅してしまうからなぁ。
それにしても新開発の「知恵」という餌は効いたなぁ。短期間でこんなに肥えるとは。
この辺の活きのいい人間十億匹、踊り喰いで頂こう。
(神々)