ウサギをめぐる暴走。その一

「難しいんだ、ひどく難しい、、」ウサギはつぶやいた。
「自分が狂っているのか?それともこの世界が狂っているのか?客観的に判断することは、すごく難しい」。
部屋の隅っこで頭を抱えているウサギはそうつぶやくと、少しだけぼくを見て、風のように笑った。
「人参食べる?」とぼくは、、そう、なんの気なしに声を掛けてみた。
部屋の隅っこで頭と哲学めいた問題を抱えながら風のように笑うウサギに掛ける言葉に、「何か」意味があってはならないのだ。
「人参食べる?」
「人参は、食べる」。
「人参は?は??」
人参以外の何を食べないというのだろう、このウサギは。
ウサギ語はいつも微妙にずれている。。