ぶんぶく蛇窯

三日、四日の二日間、
群馬の赤城山で仙人みたいな生活をしている陶芸家Kさんとこに、
太鼓仲間六人でお邪魔した。
人里離れた森の中の一軒家、一週間も人と会わなかったり話さえしないことも珍しくない仙人生活。
東京の人込みで毎日、酸欠金魚みたく喘いでいる俺にはとても羨ましい環境だ。
もし俺が女だったら迷わず押し掛け女房になるところ。
彼の焼いた皿に赤城でとれた新鮮な野菜や果物を盛り
彼の焼いたぐい呑みで酒処新潟の酒を飲む。
時価何十万の贅沢。
炭がほのかに光るいろりではカニが焼けマグロが焼け
茄子が焦げたまねぎが焦げ南瓜は真っ黒け。
炭と化した野菜を捨てるに偲びなく、酒で流し込むようにしてバクバク食う。
おいらは結局、根が百姓なんだな、米や野菜を捨てることができない、と思いつつ食った喰った。