ケニーGというよりもコールマンの開き直りに

解禁しました!
会社でのラッパ練習。
上司からのラッパ禁止命令から二年、実に長かった。
思い起こすは、ラッパを肩に担ぎさまよったあの日、あの夜。
晴海埠頭で、吹き荒ぶ冬の風に体をなぶられながら、吹いたレフトアローン
涙が零れました。
電話ボックスの中で、通行人の冷たい視線を浴びながら吹いたインプレッション。
怒りで、ガラスが真っ白に曇りました。
カラオケボックスでOUTしながら吹きまくったJBのセックスマシーン。
酔っ払いから壁を叩かれ、思わず拳を握った夜。
長かったこの二年。
進歩のない演奏。
相変わらず理解できないコードやスケール。
「ミスリードの連続だろ!」と言われるばかりの天然OUT奏法と、
「単なる手癖じゃん」と突っ込まれるばかりのパターン音列奏法を武器に、今まで戦ってきました。
この人間砂漠東京。
長い長い放蕩の末に、やっと帰ってまいりました。
仕事を終えた会社、冷凍庫前の練習場。
打ちっ放しのコンクリートに囲まれて、どこまでも伸びる音は、まるでケニーG。
上司の了解はとってないので、いつまた中止命令がくることやら。
まっ、天才は凡人との軋轢の中から生まれるわけでさ。
かわいいもんだよ俺なんか、オーネット・コールマンなんてエレベーター係の仕事中に屋上でサックス吹いていたらしい、すぐにクビになったみたいだけど。