絶景かな

自分の死に場所をあれこれと夢想して楽しむ。
死に場所というとなにやら陰気な感じだし、当面、死ぬ予定はないから、
もっとも心が安らぐ場所と言いかえたほうが想像しやすい。
ひとつは、世界遺産であるベネズエラのカナイマ国立公園。
土地が千メートル以上も垂直に隆起している陸の孤島
コナン・ドイルが、小説の中で恐竜が生息しているとした天空の大地。
赤茶けた地面に生える奇妙な形の草木、
いかれた花々。
小川には現在の地球とは別の魚が泳ぎトカゲが鳴く。
隔絶の大地は人類が生まれる遥か前の地球の姿であるとともに、
未来の人類が消滅したあとの地球の姿でもある。
人から一番遠いところで、地球の過去と未来に抱かれて、俺は心静かに眠る。
いいなぁ。
で、俺の体からヘンテコリンな毒花が生えてきてさ。

もう一つの候補は、やはり長崎県軍艦島
キングオブ廃墟。
軍艦島の魅力は、また次の機会に、渾身の力を込めて力説する。
俺が、行ってみたい日本の百景の中で、だんとつNo1ぶっちぎり。