御巣鷹山

NHKで「クライマーズハイ」のドラマやってる。
俺が17か18ん時、土方のバイトの事務所で遭遇した御巣鷹山日航機墜落事故
それをもとにした横山秀夫の小説が原作のドラマ。
無垢の500人以上が、命が、失われたジャンボ。
最後までのコックピットの会話や通信が録音されたボイスレコーダーの内容を俺は手に入れた。
だが、恐くて聞けないでいる。
「レフトターン、ライトターン」
「どーんと行こう」
どこからか伝わった機長のダミ声だけが俺の頭に蘇る。
「ダメかもわからんね」
ひろみが途絶えたときに、刑事が漏らした一言が、蘇る。

『アンザイレン』
命掛けの山に昇るとき二人のザイルを繋ぐことば。
『アンザイレン』
愛する者の命が落下しようとする「その時」に、
己の命を投げ出して救おうとする決意。
『アンザイレン』。