堕落論の参

「落ちるときはまっ逆さまに落ちよ」って、誰かが言ってた。
破滅するときは、寄り道せずに、真っすぐに破滅するのが気持ちいいのだ。
しかし残念なのは、俺はかつて一日たりともエリートだったためしはないし、
女装を秘かな趣味としているわけでもない。
悲しいかな俺は、人生にアウトして気持ちいいと思えるほどに、もともと高く生きていないのだ。
だからせめて、俺の音楽くらいはアウトさせてけろと。
アウト、イン、アウト、アウト、イン、アウト、アウト、アウト…
俺の「マイフェイバリットシングス」は、下降していく。
そして辿り着いた暗黒の底で、ひしゃげたフリーキートーンが絶え間なく続く。
そして俺は「マイ音楽史」を少しだけ更新した。