太陽を月を火星を見上げる蛙かな

ジョン・コルトレーンの世界」を見ていたTちゃん、いつの間にやらスヤスヤとお眠。
テレビ番組の収録と思しき映像でトレーンのバンドに交じってドルフィーが吹いている。「impressions」。
カッコエェなぁ!唇厚くてヒゲでデコチン。
修行僧みたいな顔して、孤高のドルフィー節は、きっと火星人の子守唄。
むっくらと起きたTちゃんが一言「ドルフィーのほうがいいね」。
そういや、コルトレーン本人が言っていたらしい「ドルフィーは俺よりもずっと先をいっている」と。
「俺より小鳥のほうがずっと先を行っている」とドルフィーは言うだろうけど。
ニューポートジャズフェス阿修羅のごときフリーに届かずして、
さっさとロリンズのDVDに替えられてしまった。
作戦失敗、Tちゃんはコルトレーン側には落ちませんでした。
ロリンズの破綻することのないテナーを聴いていて、
トレーンとロリンズを同じ土俵で語ることがそもそもの間違いであったと、
おいらは気付いてしまった。
音の細部にまで演奏者の感性が行き届いた音楽内音楽と、
音と自分を制御することを止めた先の音楽外音楽。
ロリンズとコルトレーンと火星の人ドルフィー
そして、狂った蛙の歌、俺。
ワン、アンド、オンリー!比べるなかれ。