フリーセッションtake4

ブーンブーンと大きくゆったりとハウるRさんのベース、
宇宙という海原に寄せては返す波のよう。
「鈴だ!ここは鈴から入りたい!」と閃く、
が、あいにく鈴を持ってきていない、誠に残念。
後期コルトレーンに成り損ねた気分だ。
その場で生まれては消えていく、はかない生音にすっかり当てられた俺は、
嬉しくて興奮して、なにやら目茶苦茶を吹きたくなったのだが…、
未熟、解ってない、ただの手癖という貧弱な武器しかないので、
これがなかなか目茶苦茶にならないのだ。
反目茶苦茶である「歌」が歌えないことには、なかなか恰好よく目茶苦茶にならないのかも知れない。
俺はそもそも肝腎の歌心がないから、歌おうとしても、
せいぜいずっこけだらけのアルペジオが関の山。

音は転がる、俺の溜め息と冷や汗を置き去りにして。
ベースとドラムは鼓動と脈拍、ギターは意識と無意識、
ここで感情剥き出しのサックスが叫び出せば、
一人の人間が音として出現するかも知れないのに。
悔しいなぁ…