同音異義

「菊地さんからU.Aを救う会」のメンバーであるKさんは非凡だ。
おいらが血と汗と涙の果てにやっと辿り着いたあの「Gスポット奏法」を(5月13日の落書き参照)
Kさんはアルトサックスを手にしてからほんの数十分で自ら発見して見せた。
いやいやこの時は、まだ俺にも余裕があったのだ、
「あらまあ!私と同じだわ!
新しきサウンドを得る為の参考資料として、
日夜エロビデオを仕方なく詳細に観察している私と、目の付け所が同じだことオホホホホ!」
「けどまだまだやな、フィンガーアクションのスピードが遅いわっ!」などと余裕の笑みで答える。
その余裕が凍りついてバラバラと砕け落ちたのは、すぐ後のこと。
Kさんが「こんなんもおもしろいですよ」と言い、披露して見せた大技は、
見たまんまズバリ「バキュームフ●ラ奏法」。
バキューン!バキューン!18禁。
育ちが良く上品でうぶな私には、とても思い付かない禁断の技。

Kさんはギターをノイジーに弾く時とメロディアスに奏でる時、歌を歌う時、
全て一本繋がりだと言う。
「音を楽しむ」に目覚めたばかりの少年のよう。
おいらの出すノイズは、抑圧され続けた感性の復活でしかない。
たとえ二人がまったく同じ音を奏でたとしても、その音の出目が違う、
それは結果的に音の意味の違いに他ならない。

俺の音は、俺が解放されることでその歩みを止める。
その先の音には到達できない。
比べて、ただ音を無垢に楽しむ少年は、あらゆる音を奏で世界を彩るだろう。