Fight未満!

電車内、一人の女性、
コンパクトを見ながら、
眉毛を描き、睫毛をカール、アイラインを入れて、ルージュを引き、ファンデーションをパタパタ。
いやはや、お見事ぉー!
まったくの別人に早変わりーっ!
いやいや「人前で化粧するのは、みっともないから止めなさい」
なんてババむさい説教をしようというわけじゃない。
逆に、もっともっと派手に塗ったくって
「フェイスペインティング」という大道芸で、
東京都に認められるくらいに芸を磨いてほしいものだ。
(都の大道芸免許制もどうか?と思うが)
俺が喧嘩を売ってるのは「ザ・化粧」に、だ!
なにゆえに君は化粧をするのか?
化粧は、素顔を隠す
素顔には、表情がある
表情とは文字どおり感情の表出。
つまり君は、表情を感情を、隠すために化粧しているわけだ。
なぜ、それらを隠さなくてはならないのか?
それは君の表情の源である感情と感情の源である心が、
余りにも醜いために、
デロデロといろんなクリームを厚く塗り「無表情」を装うざる得ないのだ。
怨み、妬み、疲れ目、どんより眼、ほうけ面、
自分をより良く見せようという虚飾欲、
外見だけ若く見せようという干からびた心…。
君は、醜さを隠すために化粧をしているつもりだろうが、
実は化粧をするという行為、それ自体がたいそう醜くいものなのだ。
醜さを覆ってごまかすという醜さを露呈する醜さを露呈している始末の悪さなのなのだ。
厚化粧厚顔無恥無恥。

「手のひらまつり」に参加していた女性たちが、
あまりにもキラキラと輝いていたので、
それはなぜか?と尋ねたら
「化粧の不在による、ありのままの表情の輝きの美しさ」であったと気付いたのさ。
まぁ幸いにして、化粧の消費世界一都市東京に帰ってきても、
俺の友達には、顔面壁塗り職人のごとき女性はいないから、
喧嘩売ろうにも買い手がいない。
昨年の春、現代医療問題で死闘を繰り広げたドクター、クールビューティ荒川の白塗り顔がふと頭に浮かんだが…、
思わず「女王様ぁ!」とひざまづきハイヒールを舐め舐めしたくなるような、あの不敵な笑みに、、
ぼくは、もっともっと理論武装せねばならないと…。