@五月忙し楽しや五月の二日目の壱

5月5日は埼玉の丸木美術館の開館記念日で太鼓を打たせてもらった。
原爆の図の凄まじさは、そのまま原爆の現実の凄惨さを物語る。
原爆の図を描いた丸木夫妻の凄まじいエネルギーは我々に、
どんなに悲惨な世界であろうとも決して希望を失ってはならないと訴える。
Yは「走りに行ってきます」と言い、いなくなった。
おいおい、あの鼓童でさえ本番直前に走り込みはせんだろ?
と思ったが、
長崎出身で、この日の為に祈りの歌を自作して毎日毎日稽古に励んできたYを止めることはできなかった。
雨が降ってきた
それはもちろん黒い雨ではなく、温かい春の雨。
雨粒が次第に大きくなる。
毎年5月5日は五月晴れと決まっていたのではなかったのか?
屋外で打つ予定だったが急遽すぐそばの東屋に変更する。
そして、広島で長崎で潰えた魂を鎮めるYの歌から静かに始まった。