@てのひらまつり、宇宙編の壱

KMと二人で坂を昇ってバンガローに行くと師匠とmさんがいた。
iさんとsさんはお風呂、
Y助は下の河原で太鼓を叩いているという。
耳を澄ませばなるほど下の下のほうからドンドコドンと太鼓の音が聞こえる。
真っ暗なのによくやるなー、思ったら、
まつりに参加してる女の子と二人で打っているのだそうだ。
「お邪魔だから私たち引き上げてきたのアハっ」ととても嬉しそうなmさん。
師匠にさあさあビールビールmさんにサラダサラダカレーカレーと勧められグビグビ飲みガツガツ食い燃料を急速注入して缶ビールを何本か掴み再びてのひら会場へ。
巨大なキャンドルの灯にに囲まれたメイン広場
火が走り踊り舞っていた
初めて見るファイヤーダンス幻想の世界。
派手に繊細に駆け巡る火の軌跡に酔いしれ、ダンサーのエロい腰つきにドキドキする。
あーっ!頭に火が着いちゃったぞーっ、ヤバイヤバイ大丈夫かーっ!
なんだカツラが燃えるという芸なのかびっくりしたなー。
あーっ!腕が燃えてるぞーっ!
これもそういう芸なのかー
いや違うぞ違うぞ、慌てて叩いて消そうとしてるじゃないか。。
火の宴が終わり覚めやらぬ興奮がさざ波のように聞こえ、
やがて次のステージを心待ちにする静寂が訪れた。
先程のダンサーの女の子が一人、広場の中央付近に出てきた
叫んだ
「みんなが幸せでありますよーに!」
力の限りありったけの声で。
拍手が沸き起こった
終わらない拍手に終わらない叫びと願い
心を撫でられて泣いた。

ステージに、小さな爺ちゃんが出てきた。
「飛び入りで歌わせてもらうことになりました。ありがとう」
60年代ヒッピーをそのまま生き続けているのだろう、まっ黒に日焼けした皺深い爺ちゃん
ギターを優しく鳴らして歌う
「宇宙は大丈夫〜宇宙は大丈夫〜」
ハハハなんじゃその歌詞はー、宇宙は大丈夫だってさ〜ゲラゲラゲラ。
いい感じに枯れた小さなヒッピー爺ちゃんが優しく歌い続ける。
「宇宙は大丈夫〜宇宙は大丈夫〜」
皺涸れていい声だなー宇宙は大丈夫かーこんな歌初めてだなー、宇宙は大丈夫。
悪くないな、なかなかいい感じに響いてきたぞ。
あぁそういうことか、そうなんだ宇宙は大丈夫なんだ。
いつしか一緒に歌ってた「宇宙は大丈夫〜宇宙は大丈夫〜宇宙は大丈夫〜」いつまでも。