七針の夜

金曜の夜のお話し
地図と睨めっこしながら八丁堀をあっちウロウロこっちウロウロ、岡っ引きはいない。
どーにかこーにか「七針」についたと思われるのだが、入りかたがわからない。
地下一階へ下りる階段扉がある、扉といっても階段の降り口を斜めに塞いでる板、まるでダストシュートの蓋
もろ手作り
開け方が、わからんっ
インターフォンは、ない
貼紙に何か書いてあるのだが暗くてよく見えん
どんなおまじないを唱えよと書いてあるのか。
とりあえずここは定番の「開けゴマぁーっと!」
おっ、
動いた
開いた
びびって腰がひけた
「どーも」
「ドーモ」
内側からかわいい女の人が開けてくれました。
階段を降りたらそのまんま白いお部屋でソファーがあってドラムセット、ピアノがある
まるで地下室でバンド練習できる羨ましいセレブな友達ん家に初めて遊びにきたみたいな感覚。
そして、
ハリコと真夜中のダミーズが始まった。
ハリコ嬢はヘッドフォンをしてバックの演奏をまったく聴かずにギターの弾き語り
俺達は、ハリコ嬢の歌とは別世界で音を出し合う
の、だが
この「別世界」ってのができないんだなーミュージシャンは。
どーしても気持ちいいサウンド心地良いサウンドに走ってしまう
結局、リズムもキーもメロディもハリコ嬢に合わせてしまった
意図的に外すのはかなりむずいです。
いや俺はもともと、合わせてくれと泣いて頼まれても「できんものはできん」ほうだから、いつでも「£∂∝∬‰ーっ」と別の惑星まで行けるんだけどさ、
ここ最近、終わってから誰も話しかけてくれなくなるのがなんだかとても辛くってねw
俺達に続いて、
体を貫ぬく細長い芋虫のぬいぐるみの手や舌を引っ張りながらが轟音ノイズを空間に放つ防塵マスク装着のフランス男。
大の大人が大まじめにバカをやってる姿はやっぱフランス男が1番絵になるなー
日本人だとなぜか痛々しさが先にたつ。
ライブスペースというよりも内輪で楽しいハウスパーティー状態の七針。
こういう店っていいねー
またこよーっと
楽しかったなー八丁堀の夜
岡っ引きは、いない。