@東京おっぺ月例集会、三曲目

「うーやっばいなー、出てこねぇ、新宿、新宿、新宿新宿新宿、出てこい新宿めっ!」と心の中で唱えたら
三ヶ月ほど前、友達のライブで訪れた新宿Jamを思いだした。
よしよし、あのライブのことをすばやく思い出すのだ、あのライブのどの場面でこの女性とお会いしたのか?
さあ、可及的速やかに思いだすのだっ!
そうそうだった友達のバンドが演ってる時にステージに真っ白いバスローブを羽織った男が乱入してきて、バスローブを派手に脱いだら全裸全裸のスッポンポンだったよビヨヨーン!
そして直ぐさま狂ったように踊り始めたよビヨヨーン!
もしかして目の前のこの美しい女性はあの時の全裸男?
んな訳はない、次いってみよー次っ!
そうそうそうだった
最後のバンドで客のみんながノリノリで踊ってる中でぼくは
「けっ!ドラムマシンなんか使いやがってちっともグルーブしねーじゃねーか!おまえらこんなんでよく踊れるなー」と呆れてドカっと座ってると、
ボーカルの男が突然、俺目掛けて豚の生首を投げ付けてきやがった。
たまげたよブヒーっ!
もしかしてその時の、お豚ちゃんがお化けにならせられて今ここに?ブヒーっ!
んなわけはーないっ、はい次っ!
次?次?新宿Jam以前の新宿?新宿?うー、なんも出てこんっ
私が記憶と呼んでるのはだいたい三ヶ月前までのことであり、それ以前の出来事は夢とか幻とか妄想と言うてるのである。
どうやらぼくの鼻の頭には冷や汗が滲んできているようだ。
彼女は気を悪くするふうでもなくニコニコしてくださってるのだが、
八丈太鼓まごめ会の者どもの視線が徐々に冷たくなってきて…。
「新宿でサックスを吹いてらして…」
「あっ!えっ?ほや?あーっ!去年の夏に新宿GoldenEggでやったIさんの即興リレーの時、聴きにきてた人ーっ!えーっ?どーしてーここに?」
「おっぺには数回行ってます」
「な、な、なんとぉー!」
即興リレーの時はてっきりバンドVの一員だと思ってて、あなた様とおっぺとが全く繋がらなかったのですよ(>_<)
やぁやぁどーもどーもと握手して不思議な再会に乾杯する。
これぞまさしくザ・おっぺマジック!
このおっぺの不思議な力は、私の記憶を越えてもはや夢や幻にまでリンクしているというのか?
恐るべしおっぺの奇跡おっぺマジック。
この先、ぼくの妄想とこの力がリンクしたら世界はいったいどーなるのだろう?