一つの穴の入口

東京を歩いて脱出して6日目
群馬の猿ケ京温泉の宿を朝遅く出て、もう見るのも嫌な国道17号を歩く、終わりの見えない登り坂を延々にトボトボ。
宿で出た朝食のお茶漬けが信じられないくらいに美味しくて元気百倍だったのが、あっという間にマイナス値。
どんどん山ん中に入っていくのだが地図を持ってないので今日中に峠を越えられるのかさっぱりわからん、こんな時に限ってまたまた雨がぱらついてくるし。
引き返そうかな?
悔しいけどヒッチハイクしてしまおうかな?
と、臆病風びゅーびゅー。
いよいよやばくなったらヒッチハイクで湯沢まで乗っけてもらって、後でその事実を記憶から削除すればいいね、と自分を騙し騙し登っていく。
午後の3時過ぎにようやっと峠の頂上らしき場所に到達。
そして、目の前には地獄への入口、三国トンネルがぽっかりと口を開けてまっていた。