一つの穴の出口

三国トンネル
これを抜けたらいよいよ故郷新潟なのだが、中を覗いても出口がさっぱり見えない、かなり長そうで恐い
けど、もうすぐ新潟だぜゴーゴーゴー!と気合い入れて突入した。
するとゴォーという物凄い爆音が聞こえ前からライトがぐんぐん近づいてきた。
ヒぃー轢かれるぅ!慌てて走って引き返した。
ここはインディージョーンズかよ
いくらなんでもトンネル細すぎだろ、もし中で大型トラック同士の擦れ違いに遭遇したら俺、避ける余地ねーじゃん
ライトとライトに挟まれたら人なんて見えねーし、
ましてやこんな山ん中のトンネル、まさか生きてる人間が歩いてるなんて思わねぇだろ。
あー、おいらはここでボロ雑巾みたいに轢かれて終わるのかね?
さすがのドブネズミでもボロ雑巾だけは勘弁、と思いトンネルの上をゆく山道を見つけた。
が、もう小一時間もすれば暗くなる。
とても山越えする時間はない。
勿論ただのお散歩300キロなのでライトなんて持ってない、雨のぱらつく山で一晩過ごすような装備もサバイバル術もない。
まともな人間だったらここはヒッチハイクでトンネルの向こうまで乗せてもらうでしょう
が、
ウォーカーズロー六日目で脳みそがスポンジ状態になってる私は、もはやまともではありません。
えーい、ままよ!
暗くて細くて長いトンネルに飛び込んだ。
恐怖にかられて走った走った、疲れた疲れた、歩いた歩いた
出口がさっぱり見えん
いくらなんでも長すぎだろゲラゲラ。
するとまたあのゴォーという音が聞こえてきて前からライトが一気に大きくなってくる。
横断して反対車線に逃げれば大丈夫と自分に言い聞かせて後ろを振り向けば、こちらからもゴォーという地獄音とライト。
しかも前から後ろから、なかなか程良いタイミング、まさに予想通り。

終わった俺終わた
俺、ボロ雑巾で人生終了
お疲れしたーm(__)m

じゃ、ねーぞコラぁっ!
俺さまが今ここにいるんじゃー
てめぇらちゃんと俺を見つけろよゴラァ!
と、車道の真ん中に踊り出て派手なバンダナを両手に持ってブンブンと振り回す
ゴォー、ブンブン、ゴォー、ブンブン、コー、ブンブン、ぶーぶー。
君達君達、俺さまの存在がわかればよろしい
行ってよし!
トラックの運ちゃん山ん中のトンネルで気違いお化けを見てしまった。
と、思ったことだろう。

まじで終わたと思ったよ
三国トンネル1,218メートル
↑今調べたけど、いくらなんでも長すぎだろ
突入する前に言えっちゅうねん