@今日の昼休みに屋上での弐

リタは一昨年の夏にうちの会社に入ったのだが、おいらは冷凍倉庫、彼女は事務所で普段はまったくの没交渉で、
ごくごくたまーに朝の出勤時とかで挨拶を交わすくらいなものだった。
そんなこんなで一年半がたった去年の暮れ、彼女が初めて参加した忘年会の二次会カラオケBox、
同僚がお嫁サンバを歌ってる時、リタが突然踊りだしたのだ。
みんなは呆気に取られたようだったけど、おいらはとても嬉しくなって一緒に踊り始めた。
そういや最後のほうはなぜだか二人とも頭を激しく振り振りヘッドバンキング、サンバというよりもパンクになってたなーw
その日以来、メールのやりとりをしたりお茶飲みに行ったりカラオケに行って歌いもせずに二人で狂ったように踊ったりするようになった。
彼女の親父は日本人で母はブラジル人。
リタの髪は黒いが瞳が薄緑青でとてもミステリアスな雰囲気を持ってる。
高校二年まで暮らしていたブラジルではちょくちょくファッションモデルをやっていたらしい。
こっちでもかなり目立つ子で「オーラがあるねー」などとという声をよく聞く
が、同僚の歌う下手くそなお嫁サンバで狂ったように踊ってる姿が1stコンタクトだった俺にとってはオーラよりも面白い奴というのが先にたっている。
ブラジルの血が流れてる割にはサンバ下手くそだしなw。
彼女のママがなかなか凄い人らしくて
真冬の夜、親父さんがお得意さんの接待で銀座のクラブで飲んで帰ってスーツを着たまま寝てしまったそうだ。
親父さん凍え死ぬかと思うほどの寒さに目覚めたらなんと全裸のスッポンポン
部屋のゴミ箱にはスーツやらズボンやらワイシャツネクタイシャツパンツ全てがぐちゃぐちゃに放り込まれていたという。
親父さんは自分で脱いだのだろうか?などと訝りながらパンツを穿いたり着替えたり片付けたりしていたそうな、
すると突然、部屋のドアをバターンと開き鬼の形相をしたママが一言
「あなたに香水の匂いがついたらいけないと思って全部脱がせたわよ」
親父さんはそれからというもの極力、接待は人任せ、どーしても自分でなくてはならないという時は店を出てすぐにファブリーズそして家の前で神様に三回ほどお願いしてからドアを開けるのだそうだw。
この前、珍しく親子三人揃っての夕飯の時に親父さんが「お父さん浮気したらママに殺されるなー」と冗談で言ったら
ママは微笑みながら「そうねペニスを落としてからね」と答えてボロニアソーセージをがぶりとかじったという。