@今日の昼休みに屋上での参

リタはよく親父さんとママの話しを面白可笑しく話してくれる。
おいらの頭ん中ではあっという間に典型的な日本人ダメダメサラリーマンと典型的な情熱大陸ブラジル女性ができあがった。
先月、いつも財布に入れて持ち歩いているという家族三人の写真を見せてもらったら
親父さんは想像とは見事に違って草苅正雄に似た顔の作りで超かっこいいことかっこいいこと
ママのほうは若い頃のアーシア・アルジェントに似ていて笑顔がとびきりキュートで妖艶。
この二人ならどこをどう受け継いでもそりゃあモデル級の美女になるわなー。
おいらは自分のパパママの顔を思い浮かべて「平等なんてケッ…」と思たよ。

低い汽笛を鳴らして出港していく研修船大島丸を見ながらリタが呟いた。
「ママのことじゃないの…」
なんだか声のトーンがいつもと違って沈んでいる。
「おーい、どったん?」と顔を覗きこもうとするが怖くて手摺りから身を乗り出せない俺、
下にはタバコの箱くらいの車が見える、高いとこからきしダメなんです。
「これ…、なんだけど」
リタが俺のほうを向いて手で前髪を上げた。
「…、えっ?あーっ!それーっ!えーっ!アハハハハー、イーヒヒヒやってくれたなーすばらしい!君だけだよおいらのおバカな冗談に付き合ってくれるのは、ありがとうありがとう」僕は思わず彼女の手を握って喜んだ。
リタの額には「LOVE」と書いてあったのだ。
黒マジックででかでかと。
いやー嬉しい奴やなー
ここの落書きの冗談にリアルで乗ってくれるとはほんと楽しい奴だ
おいらがゲラゲラゲラと笑ってるたら、彼女がパンチで殴ってきた、かなり痛い。
びっくりしておいら後ずさる。
「冗談じゃないもん冗談じゃないもん冗談でこんなことしないもん」て言いながら泣き出してしゃがみ込んでしまった。
えーっ(ノ><)ノ
まさに驚天動地ってやつです。
この子とはお茶飲んだりカラオケ言ったり馬鹿話したりでほんと気の合う友達で、おいらに恋愛感情がまったくないと言えば嘘になるけど、
だってさー
よく彼氏の愚痴とか彼氏が浮気してるかもだのという相談を俺にしてきてるし
「彼氏いるじゃん」
「二月前に別れたもん」
「おいおいなんか変な物拾い食いしたか?」
「してない」
「風邪か?インフルエンザ?熱あるだろ熱?」
「風邪じゃないインフルエンザじゃない熱もないっ」
正直参ったなーと思った
レインボーブリッジの下をくぐっていく大島丸を見て、おいらも乗せてってくれーと思たよ。