@高尾山縄文コーリング弐曲目

15日前、主催者である虔十の会(ケンジュウの会)のHPを見た。
そして初めて高尾山のトンネル問題を知った。
山を切り崩しアスファルトを敷き、谷にコンクリートの橋を架け、高尾山のどてっ腹に大きな穴を開ける。

高校の夏休み、中型バイクが欲しくて土方のバイトをした。
側溝ふせ、あぜ作り、道路整備。
どの現場もきつかった。
スコップ振るって何十年という強者どもと同じペースで仕事するので、
終いには、脱水と血中乳酸濃度の上昇でフラフラになり、これは臨死体験か?と思えるような経験を何度も経験した何度も。
だがそんな極限状態に陥っても肉体的な疲労はどうってことない。
どんぶり飯を三杯ほど食ってバタンと眠れば、翌朝には復活するのである。
恐るべき男子高校生の回復力。
そんなぼくが唯一、精神的ダメージを受けた現場があった。
それは砂防ダム造り。
ぼくはスクーターで通ってたのだが、現場に到着するまでに三つの砂防ダムを通り越す。
つまり下流から数えて四つ目のダムを造る仕事。
砂防ダムは大雨が降った時、土砂災害を防ぐ為にある。
が、今だかつてその沢で土砂災害が起きたことはない。
では何の為に、三つも四つも砂防ダムを作るのか?
と、自問するやいなや何とも言えない嫌悪感が込み上げてくる。
この地では誰もが知っている、公共土建工事に従事することでしか暮らしていけない現況。
地方はどこも同じであろうが、この地の公共土建事業依存度は日本有数だろう。
なんてったってあの日本列島改造論をぶち上げて「よっしゃーよっしゃー」と山をぶち抜き高速道路や新幹線を通した田中角栄さんのお膝元である。
「角さん角さん!おらが村に道を敷いてケロ」
「よっしゃーよっしゃー」
「ダムを」
「よっしゃーよっしゃー」
「駅を」
「よっしゃーよっしゃー」
その度に仕事が生まれ雇用が生まれる。
角栄さんに足を向けて眠れない大人ばかり。

いよいよ、安全な生活、利便性豊かな生活に必要な公共事業がなくなったら、無駄な公共事業をでっちあげるわけです。
自然をぶっ壊して明日の自分の首を絞めるという意味しかない公共事業を捏造して施工する。

ぼくは思わずGoogleEarthで照準を合わせて新潟県守門村松川の砂防ダムにミサイルを打ち込みたくなった
が、ミサイル打つのよくないので止めた。
今度トンカチを持って行こう
いやトンカチで叩くのいくないので止めた。
今度、素手でパンチをお見舞いしてくる
高校生の僕に対しても。