@高尾山縄文コーリング参曲目

26、7才の頃、新潟魚沼市の道路舗装屋で働いていた。
「おい、この現場はこんなに簡単でも3000万円だってよー、まるで俺達は泥棒みたいなもんだなー」と先輩が笑ってた道は車が一台も通らなかった。
集落と集落を繋ぐ道でなく、田畑に行く為の道でもなく、ただ山の奥へ奥へと延びていく道路。
そんなまるで意味のない道を滝のような汗をかきながらアスファルト舗装していく。
そうして俺達は金を貰い暮らしてきた。

3年前の夏、帰省した時、かつて舗装した現場を昔を懐かしみに行こうとしたら、中越地震の爪痕なのだろう道の至る所が土砂崩れで埋まっていて先に進めなくなってた。
そして、それは、おそらく、そのまま、放っておかれる。
なんてったって、砂一粒落ちていなくとも車一台通らない道路なのだから。
それとも、また性懲りもなく用もない道路を復旧するのだろうか?

沢の上流へ上流へ、次から次へと砂防ダムを作る仕事
山の奥へ奥へ、誰も利用しない道路を延ばす仕事
雪崩の起きない場所に雪崩止めを設置する仕事

スコップを大地に突き刺しほじくり返しながら俺達はとっくに気付いていた
「このまま、木々を薙ぎ倒し山を切り崩し自然を壊し続けていたら未来はとても酷いものになる」。

高尾山の縄文コーリングでおいらができることってなんだ?
昨日今日初めて問題を知ったおいらが「トンネル工事を止めさせよう」と叫ぶことは余りにも軽すぎる
エキサイティングな演奏でライブを盛り上げるのは他の素晴らしい出演者たちがやってくれる
下手くそな太鼓を打ってHIROYUKIさんの足を引っ張るのは申し訳ない
 
 
おいらの役目なんていうと随分おこがましいが、
ここに集まってくれる人々の気持ち、出演される方々の思い、主催者共催者の情熱だけはどうしても伝えたい
山の神々に。