@BE−IN 二灯り

シルクを薬草で染めた製品を販売する「あるでばらん」の準備を手伝った。ほんの少しだけ、椅子三個運んだだけ。
しかしながら、このリトル手伝いのお陰でぼくはここの美しいお姉さんとお友達になれたのだよ。
たかが椅子三個、されど椅子三個。

仕事仲間のKムラがやって来た。
昨夜はサッカーの試合に出場、夜の0時から朝まではライブで揉みくちゃ、殆ど寝ないでBE−INに参加、そしてまた今晩サッカーがあるという。ただ今24時間遊戯中。
「何気にタフ貝Kムラムラ」と呼ぼうかしら

太鼓仲間が続々と来場
昨夜仕上げたという千羽鶴をケンゴマンが喜んでもらってくれたと嬉しそうに話す師匠。
インディアンテントの中で静かに燃え続けている広島原爆の火、その上に飾られた七色の千羽鶴
あまりにも絵になりすぎてたのでぼくは携帯で写真を撮ろう思ったんだ。
しかし、この尊い火と祈りの鶴の前であのピロリロリーンという間抜けなシャッター音だけは到底我慢できない。
ぼくは長い間それを眺めて目に焼き付けた。
そして、久しぶりに祈った。
本当に久しぶりに。

先月4、5、6日に八丈太鼓まごめ会は広島に行き、慰霊と祈りの奉納演奏をやらせてもらった。
不良社員である私は、会社を休んで広島に行って帰ってきた場合、席がそのまま残されているという保証がなくて、行けませんでしたっよ(>_<))
その広島で寝泊まりまでもご一緒した仲間、韓国民謡のケグリが賑やかに会場を練り歩く。
黒く日焼けしたファンさんが笑顔で鐘を鳴らし、両面太鼓が複雑なリズムを刻む、小さなラッパのひしゃげたロングトーン、大きな銅鑼と小さな銅鑼が絶妙なタイミングで響く。
そのまわりを白い絹を纏った天女がふわりふわりと舞い踊る。
見ている者をまるごと引きづり込むような美しき幻想世界。

会場をぐるりと回りステージに到着したケグリ、ファンさんが「あちらを向いて演奏しよう」と言った。
夏の盛りと代わらない照り付ける太陽を避け、欅の大木の木陰で座っている大勢の人達。
木陰で涼しげに休んでいる人たちの方を向いて演奏が始まった。
日なたにいたぼくはこの時、ついつい「なんだなんだ日影で休む軟弱者たちめ」と思ってしまったのだ。
この「ついつい思った」のが大層まずかった。
どこまでも意固地なぼくはそのままついつい丸一日、ジリジリと照り付ける太陽を浴び続ける嵌めになってしまったじゃないか。
(お陰さまで三日たった今でも顔や手足が真っ赤赤で熱いっす、痛いっす、俺、馬鹿っす)