@お不動さんまつり、稽古場で

友達に「地下の稽古場で呑もう」と声をかけたのには訳があった。
hロミの写真を見てもらいたかったから。
ここ半月くらいこの落書きに、数年前一緒に暮らしていた子が自殺したことを勢いに任せて書いてる。
どこにも救いのない話しなので「読んだ人が凹まなきゃいいが」という思いや
「下手に書くと底抜けに陽気で明るいあいつを誤解されてしまうのかな」と思ったりしながらも、
ほとんどやけっぱちで書いてる。(つまらん話なので読まずに飛ばしてくれたほうが気が楽)

hロミと同い年で南条あやさんという子がいた。
ウェブサイトに自殺願望を赤裸々に綴りその文才を認められてテレビや雑誌などで取り上げられた女子高生。
サイト内の掲示板に「早く死ね」などと書き込む心ない人たちと戦いながら「卒業式まで死にません」と宣言して、卒業式の20日後にカラオケボックスで薬の大量服用をして亡くなった女の子。
後に「卒業式まで死にません」という題名で本になっている。
hロミはあやさんに憧れていて「私も本を出したい、みんなにブログを見てもらいたい、ウェブサイトを作りたい」と言ってた。
(なのでおいらはホームページビルダーというソフトを買ってきてサイトを作ってやろうとしてみたり面倒くさくなってほうり出してみたりスマン)
あいつの初めての自殺未遂がカラオケボックスだったのはあやさんと同じように死にたかったからだってさ。

このブログを続けてるのはhロミの遺言にあったから。
自分が生きていたことを友達に忘れてもらいたくないんだと。(そのわりにはここを投げ出したの早過ぎっ)

「稽古場に行こう」と声をかけた友達はhロミのことを直接知らない。
この落書きを通してしか知らない。
だから、ほんのかるーいサービス精神のつもりであいつの姿を見てもらおうと思ったのだ。
いつも師匠に預けてあるhロミの写真を借りてきて机に広げて「見てのとおりとても陽気で明るい子だったんだ」と言いたかっただけなんだ。

hロミとの出会いから別れまで一通り話させてもらった。
黙って熱心に耳を傾けてくれてたのがとてもありがたかった。

最後の日に起きたことは頭ん中で何万回も再生してきたことなのだが、人に話すのは初めてだった。
話しながら自分の間抜けさに呆れ果て、改めて俺がhロミを殺してしまったのだなと思った。

バッドエンドの物語を話して自分を呪い返し、聞いてくれた大切な友達を暗くさせ、
俺はいったい何をやってるのかね?
笑ってたのは写真の中のあいつだけ。