5月3日ポカラを出発

5月3日
ここポカラの一日先輩であるぼくはGイチくんを案内した。
「この神社、全然日本っぽくないやろ?全体が赤く塗ってあるし作りも違うしさ、鈴でなくて平たい鐘を鳴らすようになってるし、中には生首があるで、ほらっ!」
中には朝鮮農民の仮面劇に出てくるようなお面が二つ飾ってある。
「そいで、この神社を背にして歩いていくと虹の岬という見晴らしのいい谷があってだな
確かこの先のはず。昨日立ちションしようとして偶然見つけてさ、後でみんなに聞いたらうららさんが虹の岬と名前つけた場所だって、
あれれ?おかしいなこのあたりなのに」
なんだか昨日みた風景と違うような違わないような。
「よし、もう一回神社に戻って辿ってみよう」
再び神社を背にして歩いた。
「???おかしいー虹の岬が消えちまった。ここはどこ?ん?あれはなんだ?」
小さくて古い小屋みたいなものがあったので近づいていくとどうやら野外便所らしい。床下は崖になっていて地球に優しい天然処理。
いつの時代のやつだろっていうか今は何年何月何日なんじゃ?
この地は時間も年月もさっぱりわからんくなる場所らしい。
結局ぼくたちは虹の岬に辿りつくことができなかった。まったくもっておかしな話しである。
あるいは、ぼくがただの方向オンチなだけかもな。

うららさんの写真を正面に見据えながらギターをかき鳴らし歌うYナさん、ジャポネシアという歌。
背には大きな白い幕が掲げてあり、三つの赤い円が描かれている。
自由と愛と美、うららさんの思い。
美が一番難しいとSンが呟いた。

昼11時
一人一人全員と握手してハグをした。
みんな笑顔なのによく見りゃちょいと涙ぐんでるのは俺の目なのかみなさんの目なのか。この一晩二晩ですっかり家族のようになっちまったからな。。
馬鹿話しが大好きで心温かいみなさんまた会いましょう!
さあ、いよいよ東北の地目掛けて出発じゃー!
Gイチ号とSンノスケ号よろしくたのんまっせ!
ペーパードライバー暦20年のぼくは助手席でのほほほ〜ん