5月6日

5月6日朝
Sンが芸術の村の花を摘んでいる。hサコさんにあげるという。
こういうベタなところがこやつの強みというか、おいらがちっとも思い浮かばないポイントではある、生涯モテモテウハウハを狙ってる私としてはしっかりとメモしておかねば。

ボラセンで熱きリーダーYウと道具を積み込み大沢へ
「かーちゃんおはよう!今日は5人だよーん!」
Sンが「hサコさんhサコさん」とちゃんと名前で呼んでいるのを聞いたぼくは反省して、おばあちゃんからおばちゃんに、おばちゃんからかーちゃんに呼び方を若返らせていったのであった。
「おはよう!ごくろうさまです!」といつも元気なかーちゃん。
目の前にDンくんが現れたのにまったく気づかない、マスクしてるからわからないんかね。
じゃんじゃじゃーん!
「ぼくだよ、Dンカンだよぅー!」※注「よぅー」にアクセントを入れてください

やったぜかーちゃん鳩豆鉄砲!
「Dンくん!わーっDンくん!どうして△◎□▱…!」
あとはもう、朝から晩まで丸一日がすっかりこの日は「THE hサコday」
「昨日の昼に自衛隊の方が見えられて、家の書類やら写真やらが見つかりましたと届けてくれたの。その中にDンくんの写真があって、ほらこれよ見て!この写真35年ぶりに出てきたのよ。」
Dンくんなんだかイタリアのプレイボーイチックで昔の色男男優チックで、どえりゃー恰好いいんですけど。おヒゲがちょいとスケベっぽくてこりゃ相当モテただろうなー。
「その懐かしい写真を眺めてDンくん今ごろどうしてるかなー?アメリカかな?と思ってたら、なんとなんとその数時間後にひょっこり本人が現れたんだもん、もうびっくりしてびっくりして。それで私はこう思いました。これはきっとお父さんが引き合わせてくれたんだと。」
いやはやここまでくると、とても偶然とは思えない、ほんとにお父さんの導きとしか言いようがない。
なんてったって35年ぶりに出てきた写真の数時間後に当の本人がこれまた35年ぶりにひょっこりと現れたのだから。
そして、ぼくたちは実にタイミングよくMークを大沢小に連れていったことで、その奇跡の一翼を担ったのだと思うととても嬉しい気持ちである。
「昨日かーちゃんとDンくんが抱き合って再会を喜んでた時、俺たち大沢小でボーっとして待っていたんだぜ!尋ね人がまさかかーちゃんとは思いもよらんし」
「だから、ほっんとにもうびっくりびっくりDンくんとみんなが顔見知りだったなんて。たまげたたまげた、世の中不思議なこともあるもんだ」

Dンくんは35年前に泊まっていた部屋の窓まわりを丹念に掃除して、思い入れがあるという花壇作りを丁寧にやっていった。
「お父さんの百日供養を東京でやるからDンくんもぜひ参加して頂戴っ!」
二人は、再々々会を約束して別れた。

ボラセンで今日の作業報告をして(といってもいつも全てYウ任せなんだが)日課である玄関サイドの「ご自由にお持ちくださいコーナー」を物色する。
アルファ米というお湯を注げば食える米をありったけゲット、村長への土産にしよう、非常食にはなるだろう。
Kムラが今日からボラセンの上のオートキャンプ場にテントを張って寝泊まりするというので、
「どうしたん?村長とこ居心地悪いか?」と聞いたら
「だって、おでんに亀虫入ってたんだもん、俺が一番亀虫苦手なのにー」
「それはそれは、ドンピシャで引いちまったねー」と爆笑。
「明日すまんけどYウと二人でhサコさん家頼むわー、俺とSンはボランティアサボってSシハタ牧場で焼肉じゃでのう!心配すんなちゃんと君の分まで食ってきてやるからなウッシッシ」